win10からwin11への移行準備の為に色々調べてたらパーティション管理ソフト「MiniTool Partition Wizard」というのが各所で紹介されていたので試しに使ってみた記録。
0.なぜwin11のためにパーティション云々を触らないといけないのか
それはwin11へのアップデート要件に「セキュアブートをサポートしている必要がある」から。
セキュアブートはBIOS(今はUEFIだっけ)から有効にする必要があり、
セキュアブートを有効にするにはMBRをGPTに変更する必要がある。
ややこしいね。
// XP時代の2TB問題の時から対策してれば回避出来たのに、いい加減な運用をしてきたツケである
そういうわけで調べて見つけたパーティション管理ソフトを触ってみたというわけ。
1.MiniTool Partition Wizard無料版を使ってみる
1.1 ダウンロード
ここからダウンロードできる。DLするならまず無料版。現在(公開時点)のバージョンは12.7。
間違ってもデモ版を選んでは選んではいけない。デモ版は実際の操作が出来ないらしい(1敗)。
現在の判別方法は、インストールメディアのファイル名が
「pw1207-free-online.exe」→無料版
「pw1207-demo.exe」→デモ版
なので、前者であることを確認されたい。
1.2 ソフト外観
win標準の記憶域→ディスクの管理にかなり似ている。慣れていればかなり扱いやすいだろう。
左欄でやれることが色々書いてあって面白そう。
// ディスクの番号が1から振られているのはちょっと気になる。
// CUIで操作する時に間違えると悲惨だもんね。まぁCUIから操作するならdiskpart→list diskで確認するだろうし、このソフトを使っている分には問題はないのかも。
しかし今回一番やりたいのは、ブートドライブのバックアップである。
まずはそこから試してみよう。
1.3 ディスクの抹消
今のブートドライブ(Partition Wizardではディスク3)をMBRからGPTに変更する前に、作業中の不慮のデータ破損などに備えてクローンを作成しておきたい。
したがって、削除予定のディスク4を抹消してからクローンにしようと思う。
まずは、削除予定のディスク4の上で右クリックして「ディスク抹消」を選択。
すると、ディスク抹消のオプションが表示される。
驚いた、ゼロフィルでの抹消がデフォルトになっているではないか。
しかも下2つはゼロフィルだけでなく、乱数で上書きして磁気データからのデータ復旧すら拒否する方式である。
普段は別のソフトでゼロフィル→ランダム→ゼロフィル、と書き込みごとに手動操作をしていたが、今後はこれで完結してしまうのでは?
まぁ今回はゼロフィル一回やったらクローン用にしようと思う。めちゃくちゃ時間かかるからね。
ということで、「セクタを0で埋め尽くす」を選択したままOKボタンを押した。
……作業が開始されている雰囲気がない。
どういうことだろうとウィンドウ内を見てみると、左下にこんな表示があった。
赤枠を付けた部分を見ると、操作が保留されている。
また、ディスク4を見ると、こちらは適用ボタンを押した後にどうなっているかのプレビューが表示される。
これは(多分)全ての操作に対して適応されるようで、めちゃめちゃ親切に感じた。
意図しない操作を間違って実行してデータ破損、みたいな事故を、一度保留にして確認させることで未然に防いでいる訳だ。
確認し、問題ないので「適用」。するとこのような表示が出る。
Fill Sectors with Zeroということで、全部のセクタに0を書き込んでいる最中だ。
標準的には2TB HDDだと大体5時間くらいかな?
一応、書き込みが進むと「データ書き込み中…」のプログレスバーが埋まっていくんだけど、個人的には今どこのセクタに書き込んでいるか、の表示が欲しいところ。
~翌日~
1.4 ブートドライブのコピー
今のブートドライブはM.2 NVMeであるため、速度優先の作業をしたいとき用にパテ切って作業領域として使っている。
今回はその作業領域もまとめてバックアップを取ろうと思う。
左上のウィザードから「OSをSSD/HDDに移行」を選択してコピー……
しようとしたが、ブートドライブ関係のパーティションのコピーについては、上位版が必要らしい。
そういうわけで、別の方法でバックアップを取っておく。
コントロールパネル→バックアップと復元(win7)→システムイメージの作成
ここでバックアップを取るために、ゼロフィルしたHDDにパーティションを新規で作る。
1.5 パーティションの作成と操作
ゼロフィルしたHDDの未割り当て部分を右クリックして新規作成。
すると次のように新規パーティションの設定ができるのだが、「サイズと場所」の設定が自由度が高くて面白い。
前後に未割り当て領域を作成できるのが分かるだろうか。
win標準のディスクの管理では見たことがない自由度でびっくりした。
試しにこれで作成してみよう。OKを押して、保留中の操作を適用する。
それをディスクの管理から見てみると……
こんな風に、前後に未割り当て領域が出来ているのが確認できる。
もちろん、このパーティションを移動したり、拡張したり、動かしたい放題のようだ。
とりあえず今回はHDD全体をバックアップ用に拡張しておいた。
使いようによっては不良セクタ部分を避けてパテ切ったり、用途を決めて細かく作ったりもできそうだ。
2. 他に気になった所
2.1 右上のメニュー
バックアップは別ソフト、データ復元とパーティション復元は上位版用だが、
ベンチマークと使用状況分析は無料版で使える。
簡単に言うと、ベンチマークはCrystalDiskMarkっぽく使えるし、
使用状況分析はWizTreeっぽく使える。
わりと汎用的に使えるソフトのようだ。
2.2 MBRディスクのGPTディスク変換について
無料版だと、データ用ディスクの変換のみ対応しており、上位版ではOSディスクも変換できるようだ。
// もしかしてプロ版だとブートディスクのクローンも変換も、これ一本で出来るのでは……?
データ用ディスクの変換について調べていたところ、ベンダーのwebページがヒットした。
そこによると、
現象:MBRディスクをGPTディスクに変換する場合、最後のパーティションがディスク領域を使いきれたことによって、GUIDパーティションテーブルを作成するのに十分なスペースがないので、GPTディスクに変換した後に、パーティションが紛失されることがあります。
(https://www.partitionwizard.jp/help/convert-mbr-disk-to-gpt-disk.html)より引用
対策も記載されていて、こういったヘルプを公開しているのは結構ありがたい。正直この現象は知らなかった。
しかも、このページを下にスクロールしていくと「リソース」という項目が見つかる。
当然、ベンダーが販売している商品に関連しているが、それだけではなく面白かったり普通に役に立ったり記事を見ることが出来る。
例:WindowsでSteamが起動しない場合の対処法11選
このリソース、ある程度ジャンルを分けて公開されているが、個人的には全部まとめてRSSで読めるようにして欲しいレベル。
3.CドライブをGPTディスクへ
バックアップが完了したので、いよいよCドライブの変換作業に移る。
と思ったが、よくよく確認すると結構制約があるなぁ。
ブートディスクの前後を空けるのは、このソフトの無料版でも再起動挟めば可能だし、
なんとか条件合わせてMBR2GPT.EXEとやらで変換できるようにするかぁ。
4.win11への更新準備完了
ということで、GPTディスクへの変換が完了したのでセキュアブートを有効にしていく。
今まではMBRディスクだったのでUEFIではCSMが有効になっていた。
なので、GPTに変換後、UEFIからCSMを無効化し再起動、すぐにUEFIに入ってセキュアブートを有効化!
→再起動→
そうして無事win10が立ち上がるので、PC 正常性チェックを起動して確認すると
チェック通過!
これでwin11への更新準備は完了した。
// win11の情報集積とwin10の期限ギリギリまでは更新保留
割りと柔軟なディスク管理ソフトの助けもあって更新”準備の準備”が出来た。
結構アリかなって感じだった。
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