デッキビルドパックやエクストラパックの箱、大体パック剥いてそのまま捨てるよな。
ただこれ、カード入れて売ってるだけあって、丁度いい幅してる。
ストレージ用途に転用するの、割とアリ。
今回は、ちょっとしたストレージに加工する手順を書いておく。
1.用意するもの
1.1 必須
・ハーフサイズの箱
今回の主役。無いならショップへ行って何か買おう。ニューロンのポイント貯まるぞ!
・木工用ボンド
どこでも売ってるような普通のやつでOK。
・マスキングテープ
これも何でもOK。セロハンテープでもいいけど、質感的にマステの方がいいかな。
よく使うからmtシリーズの15mmを買い溜めしてある。
・不織布 or 布
これが今回のキモ。
カードが傷つかないようなストレージを作りたいので、箱の内側に貼り付けるよ。
加工が簡単なのは不織布。ただ、少々毛羽立ちが気になるかな。
布は、生地屋で色々触ってみたけど、ポリエステルのスエード生地が良さそう。滑らかで傷つきにくいように感じるけど、接着が難しい。そこはトレードオフ。
・スティックのり or 両面テープ
不織布の場合はスティックのり、スエード生地の場合は両面テープ。
どちらも箱に貼り付ける為に使用する。
・カッター、ハサミ、定規、油性ペン
よく切れるモノがよい。前述の布を使う場合は、裁ちばさみも用意しておいた方がよい。
1.2 作業効率UP
・クリップ
ゼムクリップでも何でもOK。一時的に閉じておきたいときに使う。
・万力 or クランプ
後述の治具と合わせて、木工用ボンドでガッチリと接着する為に使う。
元々持ってたので万力無しでちゃんと接着できるのかは疑問。できれば用意しよう。
口幅が5cmくらいで、開口もしっかり出来るモノがよい。治具を作れば安いクランプでも対応出来るかも?
・治具
自作。7cmと14cmより少し短いくらいの長さで、2本ずつあると良し。
箱の高さが約4cmなので、それをしっかり押さえられる高さがあると、圧着時に均等に力がかかってGOOD。
※なお、ホームセンターで治具用の木材を買っても、カット依頼はちょっと厳しいかも。
まず、木材の品揃えによってはいい感じのサイズがそもそも見つからない。
さらに、カット時に「135〜137mmを2本、65〜67mmを2本」みたいな指定をしても、
機材の刃の都合や、担当者に意図が伝わらないこともままある。
余ってる端材をうまく再利用するか、自前でカットできるならそれが一番早くて楽。
2.作成手順
2.1 BOXの目張り
まずは、BOXを「箱」として固定してあげよう。
シールでもマスキングテープでも可。俺はラベルシールを好んで使ってる。
BOX上面、パックを取り出す蓋の部分には切れ込みがあるので、ここを塞ぐようにシールを貼る。
また、蓋の両サイド、角に当たる部分にもシールをピッタリ貼って、後の作業中に蓋が開かないよう抑えておく。
BOX背面にも上部と同様の切れ込みがあるので、ここにもシール。
あとはBOX底面にも軽くシールを貼っておこう。ここは、後で木工用ボンドで接着するときにズレにくくする為の保険。キッチリ貼ろうと抑えようものなら箱が潰れかねないので、”軽く”貼り付けよう。
※なお、ターミナルワールドやエクストラパックBOX系は、切れ込みが入っていないタイプもある。そういうBOXの場合は、蓋の両サイド・底にシールを貼ればOK。
2.2 BOX正面をカット
ここでは、BOXを内側に折りたためるようにカットしていく。
・ガイド線を引く
油性ペンで、BOX正面の中央に縦1本の線を引く。
指金(L字の定規)があるとやりやすいが、なくても大丈夫。
BOXの左端・右端からそれぞれ約35mmの位置を測り、上下方向に複数の点をマーキングする。
それらの点を直線で結ぶようにして、中央を縦に通るガイド線を引こう。
次に、中央の縦線上に、BOXの上下からそれぞれ35mmの位置に印をつける。
そこから、箱の上端・下端の角へ向かって斜めに線を引こう。
・印に沿ってカッターで切る
まずは、中央縦線の印から印の間(約70mm)の直線をカット。
さっき付けた35mm印がカットの始点と終点になる。
次に、そこから角に向けて引いた斜線をカット。
三角形の上フラップ部分がポロッと取れるので注意。破片は不要なので、そのまま捨ててOK。
・折り畳んで形を確認
画像のように、側面を内側に折りたためるようになっていれば成功。
この状態で、クリップなどで軽く仮止めしておくと、バリ取り作業が楽になる。
・バリを取る
ここまで、カッターで押さえつけるように切ったから、切断面にバリが残っているはず。
ハサミを使って、各辺を丁寧に処理してバリを取り除こう。
2.3 接着
順番はどこからでもいいが、慣れないうちは長辺からはじめると崩れにくい為、ここでは長辺から。
片側のクリップを外して、木工用ボンドを薄く塗る。
塗ったら、治具で辺を挟んで、均等に圧がかかるように注意しつつ、クランプで締めて圧着する。
5~10分ほどクランプで締めたら、いったん緩めて接着状態を確認しよう。
ボンドを多く塗りすぎていると、ボール紙の隙間からボンドがはみ出して、治具にまでくっつくことがある。
その場合は、焦らずゆっくり剥がして、ティッシュ等で優しく拭き取る。
もう片方の長辺も同じ要領で。
次は短辺だが、これが少々難しい。
軽くシールを貼っておいた底面は、見えている三角部分だけでなく、
黒矢印で示しているような「折り返し」部分にもボンドを少し垂らす必要がある。
ここで、シールがなかったり中途半端な貼り方をしていると、
組み合わさっているボール紙の位置がズレてしまう。
だからシールで軽く留めておく必要があったんですね。
それに、目や手が届きにくい場所にボンドを塗る都合、多めに塗ってしまってはみ出て治具にくっついてしまうこともしばしばある。慎重に。
そして短辺上面側、こちらも注意が必要。
正面をカットした時点で、この短辺の角を支えているのは、2.1 で貼ったシールだけになっている。
その状態で両サイドのフラップを強く持ち上げてしまうと、シールが破れて箱の形が崩れることがある。
そっと持ち上げて、優しく、薄く塗ることを勧める。
画像はボンド多く塗ってしまっている悪い例だ。
最後に、蓋の差し込み部分だった場所にボンドを薄く塗って、折りたたんでクランプ行きだ。
4辺とも十分に接着すれば、この時点でBOXはそれなりの強度になる。
スリーブ入りのカードを仮置きする程度なら、次の工程2.4 を飛ばしても十分使える。
用途に合わせて判断しよう。
2.4 不織布等貼り付け
当初の目的、カード保護のため不織布やスエード生地を貼っていく。
ここでの画像は不織布を使って説明する。
まずは短辺用にカット。画像のように、70×75mm程度で2枚用意する。
不織布も布も、貼り付け時に皺を伸ばす過程でどうしても伸びるので、あらかじめ気持ち小さめに切り出しておくと良い。
引っ張って伸ばさないように扱おう。
次は底と側面をまとめて覆う用に、180×140mmくらいに切り出す。
全体に貼り終えたイメージが下の画像だ。
最終的には、箱の外側にはみ出す部分が各辺15mm前後になるように調整してある。
ここまでで全体の配置が見えたら、いよいよ接着。
不織布ならスティックのり、スエード生地なら両面テープが良い。
木工用ボンドは厳禁。繊維に染みて使い物にならなくなる。
皺にならないように、かつ極端に伸びないように注意しながら、底面→側面の順で丁寧に貼っていく。
全辺から15mm程度はみ出すように貼れたら、外側にも糊またはテープで折り返して接着しよう。
2.5 仕上げ
ここまで出来たら、もう安心。
ストレージの外周をぐるりと囲むように、マスキングテープで補強していくだけ。
少しはみ出すように貼り付けた不織布やスエード生地の端を保護するように、軽く押さえながら巻き付けよう。
2〜3重くらい巻くと、見た目にも収まりが良くていい感じ。ただし結構テープを使うので、その点は留意。
これで完成だ。
3.おわりに
こんな風に加工すれば、ハーフBOXがストレージとして生まれ変わる。
ねじれ方向の強度はそこまで高くないので、その点には注意されたし。
とはいえ、捨てるだけだった箱がちょっとしたストレージに変身するのは悪くない。
剥いたカードの仮置きや整理中の仕分けには必要十分で結構オススメ。
4.余談
そもそも何故ハーフBOXに目をつけたのか。
というのも、遊戯王のハーフBOXは、カードをパックに入れて販売するための箱だから寸法に少し余裕があってちょうどいい。
しかも大体70×140×40mm で統一されているから、複数作ってもサイズに統一感があってストレージ用途に違和感がない。
ちなみに、レギュラーBOXの方は 140×140×40mm と正方形に近い形状。
単純にカードを横2列に並べる形になるため、セパレータを立てる必要がある。
前に試したが、箱全体の強度・セパレータの強度・カード保護を全て満たすのが難儀でやめたという裏話があったり。
とはいえ、何かいい案を思いついたら、レギュラーBOXでのストレージ化を改めて考えるかもしれない。
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